大学の薬学部で学ぶこと
大学の薬学部で学ぶことについてその概要をとらえ、薬学についての理解を深めよう!薬学部では何を勉強するのか、どんな学科があるのかを事前に把握する事で、大学入試の際の希望する学科の選択肢を増やし、将来自分がなりたい職業分野や貢献したい分野への関心や可能性を広げることに役立ちます。
ここでは、薬学部の主要学科である6年制の薬学科で学ぶ主な科目領域と実習について概要を解説します。
6年制薬学科で学ぶこと
医療人としての薬学人材を育成する6年制大学では、一般的に1~4年次で薬剤師に必要な薬学の専門知識を培い、5年次から実際の病院・薬局での長期実習を行う「実務実習」を履修し、薬剤師としてのスキルを身に付けます。
科学系科目
物理系薬学
物質の構造と変化、化学物質の分析を行い、物理学の視点で物質の性質を理解する領域です。
化学系薬学
化合物の構造や立体などの基礎事項を習得し、医薬品合成の基礎を学びます。おもに有機化合物の性質と反応を学び、また、生体分子や医薬品を化学を使って理解する領域です。
生物系薬学
ヒトの成り立ちから細胞レベルでの構成分子、タンパク質や遺伝子の働きなど、生命体についてミクロの視点から機能や構造を理解します。
専門科目
衛生薬学
おもに人の健康を害する様々な外的要因について、有害性の根拠や影響するレベルを判断し、外的要因の除去方法の検討を学習します。
薬理・動態学
薬が生体に対してどのような影響を与えるかを学びます。
病態・治療学
病気の成り立ちと治療についての知識を修得。
薬剤学
製剤の基礎、剤形づくりから医薬品の開発・生産についてを学びます。同時に薬に関連した法律・制度を学び、社会の中の薬の位置づけを理解します。
臨床薬学
医療現場において、患者に対する薬の効果や検討をしたり、副作用の原因を研究するなど、臨床における薬剤師の知識を学びます。
実習
体験実習
実際の調剤薬局などへ行き見学し、直接薬剤師の仕事に触れることで理解を深める体験実習を設置している大学も多くあります。
実務実習事前学習
実務実習に備え、実際の病院や薬局での実習で必要な知識と技能を学習し、薬剤師に求められる基本的な知識・技能・姿勢を総合的に復習します。
実務実習
薬剤師資格を受験するために、大学では「病院実習」と「薬局実習」を履修する事が義務付けられています。一般的に5年次で実際の大学付属病院や提携施設での病院・薬局(病院薬剤部)に入り、実務実習がはじまります。 実務実習では、実際に社会の中で活動している現場での仕事に触れます。4年次までに身に着けた専門知識と技術を用い、プロとして病院や薬局での実務を実習形式で学びます。
実務実習は大学の実習室や研究室とは違い、リアルな現場での実習となるため、専門知識だけではなく社会人としての立ち居振る舞いも求められます。医療現場で働く指導薬剤師も、リアルな仕事や薬剤、設備などを実習で使用するため、学生気分では仕事になりません。すぐにでも現場で働ける社会人として責任ある立場であることを認識し、実習にあたることが必要になります。
6年制薬学科と4年制薬学科の違いについてはこちらをご覧ください。